遠方から夜行バスで帰ってくる間、久方ぶりに夢を見た。ありきたりな、夢のない夢を。 夢というのは得てして唐突に始まるものだが、昨日のそれは違った。まるでドラマか何かの初回であるかのように、旅支度の僕は意気揚々と実家の最寄りの路線のターミナル駅…
或る寺社。どこにあったかも覚えていないけれど、天皇陵が近くに幾つもあった山中のものだった記憶はある。そんな寺社の堂宇の周りに敷いていた石のことを思い出した。背後から視界の端にぬるりと流れてきた煙を掴むように、唐突に、わけもなく。その石は八…
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