社会復帰概論

むずかしいです

年の瀬

普段僕は少し考えてからブログを投稿するのだけれど、今書きたいことがあって、はじめて指の赴くままにブログを書いている。ここまでして言いたかったことは何かというと、年の瀬というものが、僕は好きだ。ということである。

年の瀬はいい。普段と時間の流れが変わる。くるくるとした、でも視界の変わらない毎日からいつの間にか切り離されて、時間が、もったりとした柔らかさを帯びる。厳格な師がふと見せる優しさのようでなんとも言えない安堵を覚える。その時間の流れの中に静かに身を委ねるのも好きだし、師の目を盗んで友達と遊び呆けるのも好きだ。

それに、繁盛店の客が急に捌けたときのような、普段明るい友達の真顔をふと見たときのような、突然生まれた空白に対するちょっとした不安や寂しさもある。あぁ、どうしたものか。いきなり過ぎて手持ち無沙汰だなぁ。と僅かに焦ってしまうのも、正直悪い気はしない。

何より、なんとなく人々がぬくぬくになる気がするのだ。皆々が今年一年を振り返り、お互いに思いを伝え、感謝し合い、そういった温かなものが自然と多く見えたり、聞こえたりするのがたまらなく心地いい。僕だってこの季節にはなんとなく、世話になった人、迷惑をかけた人、遊んでくれた人、言葉を交わしてくれた人、そんな人々のことを思い返す。

あぁ、この感覚が、この温かなものが、ずっと側にあればいいのに。ずっと抱けていればいいのに。どうしても僕は、僕らは、忘れてしまう。そうしてまた来年、ふわふわな時の流れに揉まれて、一年分の温もりを感じ返すのだろう。仕方ない。またあの短気な師の下での恙無い繰り返しに戻ろう。ではまた。